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テクノロジー

バキュロウイルス1)・昆虫細胞系を用いたタンパク発現技術(Baculovirus Expression Vector System: BEVS)をコア製造プラットフォームと位置づけ、日本国内でインフルエンザワクチンなどのバイオ医薬品2)の開発を進めております。

BEVSとは

BEVSは、目的とするタンパクの全長遺伝子を遺伝子組換え技術によってバキュロウイルスに挿入し、これを株化3)した昆虫細胞に感染させ、細胞内で目的のタンパクを大量に発現できることに大きな特徴を有しております。BEVSは、組込む遺伝子の種類が変わっても生産条件を大きく変える必要がない、柔軟で効率的な製造技術であり、一部のタンパクの大量生産に向くため、低コストでタンパク医薬品を作ることができることから、バイオ医薬品製造技術の中でも有望なものの一つであります。
当社の技術導入元であるPSCがBEVSを用いて開発した季節性インフルエンザワクチンFlublok®は、FDAより承認を得ており、製造技術として確固たる地位を築くに至っております。BEVSを用いて製造されたワクチンには、この他にも、平成23年にFDAにより承認された前立腺がん治療ワクチンProvenge®(Dendreon Corporation社製)があります。ワクチン以外では、欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)より承認されたリポ蛋白リパーゼ欠損症治療薬のGlybera®(UniQure BV社製)もBEVSを用いて製造されております。
当社が開発を行っているUMN-2001、UMN-2002、UMN-0502、UMN-0501、UMN-0901及びジカウイルスワクチンは、BEVSを用いて製造した組換えタンパクまたは組換えVLPを有効成分とするワクチンであります。

BEVSによるインフルエンザワクチンの製造

他のインフルエンザワクチン製造技術との比較

急性胃腸炎の主な原因ウイルスの一つであるノロウイルスは、主にヒトのみで増殖するウイルスであることから、一般的なワクチンの製造方法であるウイルスそのものを増殖させて不活化し精製してワクチン成分という製造方法で生産することは困難でありました。従いまして、これまでノロウイルスに対する予防ワクチンは開発されておりませんでした。一方、BEVS技術は、ノロウイルスの外殻、いわゆるVLP(Virus Like Particle 増殖能を持たないウイルス様粒子のこと)を大量に生産することが可能であることから、BEVSにより製造したノロウイルスVLPをワクチン成分として用いることにより、ワクチン開発が可能となります。VLPを用いた様々なウイルス感染症に対する予防ワクチン開発が国内外で進められており、将来におけるワクチンの主要な製造技術の一つになり得ると考えております。

BEVSの応用展開

BEVSは、インフルエンザワクチンやノロウイルスのみならず、デング熱4)、西ナイル熱5)などの新興・再興感染症に対する組換えサブユニットワクチン6)、免疫反応を利用してがん細胞を攻撃・退縮させるペプチド治療用ワクチン7)、タンパク治療薬(非ワクチン)等に幅広く応用可能です。

  1.   1) バキュロウイルス:節足動物(昆虫など)に感染するが、脊椎動物(ヒトなど)には感染しない性質を持つウイルス
  2.   2) バイオ医薬品:遺伝子組換技術、細胞融合法、細胞大量培養法と製剤化技術などのバイオテクノロジーで製造された医薬品
  3.   3) 株化:継代培養(植え継ぎ)を繰り返すことで維持される細胞の系統
  4.   4) Halstead SB and Vaughn DW:Dengue vaccines. Vaccines 5th Edition, Saunders:1155-1161:2008
  5.   5) Bonafe N et al.:A recombinant West Nile virus envelope protein vaccine candidate produced in Spodoptera frugiperda expresSF+ cells. Vaccine 27:213-222:2009
  6.   6) サブユニットワクチン:ワクチンの有効成分として特定の抗原のみを含むワクチン
  7.   7) ペプチド治療用ワクチン:人工合成ペプチドを体内へ投与し、細胞傷害性Tリンパ球を活性化・増殖させることにより、がん細胞を攻撃・退縮させる治療用ワクチン
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